メッセージ

日常的な生活、やや高い次元の経済・社会的な活動について、 多くの人が関与し高い水準の機能を求めるようになると、 需要と供給のバランスを取ったシステムを設計して適用する必要があります。 例をあげると、ごみ処理、交通、学校、様々な施設の配置などが考えられます。 対象とする分野は限定しませんが、そのようなシステムを考えるのに
  1. それをよく説明する数理モデルを考える
  2. データの収集と分析を行う
  3. 効率のよいシステムの設計とその運用を 考える
といったことはオペレーションズ・リサーチと呼ばれる分野の重要なテーマです。 私の研究室では、このような テーマを対象として、 可能な限り現実の問題に立脚しながら、理論的なモデルの構築を目指します。

中央大学 理工学部 情報工学科
教授 田口 東

システムのモデリングと最適化

「システムのモデリングと最適化研究室」では、 実社会において現れる様々な問題に対し、 その本質的な部分を取り出して数理モデルを考察することをテーマとしています。

時空間ネットワークを使って電車・バスを円滑に接続する

人口が疎であるために交通需要が少ない地域において、 低頻度で運転されている公共交通機関(鉄道・バス)が多く利用されるためには、乗換の接続がよいことが重要です。 乗換などの交通機関による移動を、時空間ネットワークの特長を活かして「精度」良く表現し、 鉄道・バスの実態を調べました。 さらに、最適化問題を解くことで鉄道とバスを円滑に接続する時刻表を求め、その性能を現行時刻表と比較しました。 (参照

PASMOデータを用いた鉄道利用者の購買行動分析

東京郊外から都心を結ぶ私鉄沿線にある二駅を対象として、 PASMO カードによる鉄道利用データと駅構内店舗のPOS データを用いて、 鉄道利用客にとっての駅構内店舗の役割を明らかにしました。 この研究では、電車利用記録を基本におき、乗降記録と購買記録を組み合わせて、 交通カードデータの利用可能性を具体的に示すことをテーマとしています。

東日本大震災後,節電時の首都圏電車ネットワーク混雑シミュレーション

東日本大震災後、電力不足に対応して首都圏の電車の運転調整が行われましたが、電車の混雑や 遅れなど厳しい影響がありました。そこで、「理想的な分散乗車をするとどの程度混雑が緩和 できるのか」や「路線の負担に見合った運転削減率の調整によって乗車率がどのように変わるか」 について、時空間ネットワークを用いて検討しました。(参照

首都直下地震による鉄道利用通勤・通学客の被害想定

多くの人々が鉄道を利用する首都圏において、地震による鉄道利用者の被害を見積もることは今後の地震対策を考える上で重要です。 首都圏鉄道ネットワークに時間の概念を加えた時空間ネットワークを用いて電車1本1本の運行を表現することで、 帰宅困難者・死傷者の数や走行中の電車の被害の推定を行うことができます。(参照

時空間ネットワークによる航空の分析

日本の航空は現在、需要と供給のバランスが取れていない状況にあり、航空ネットワークの拡充・整備が急務とされています。 そこで、航空時刻表をもとに時空間ネットワークを構築し、航空便のフライトを再現しました。 時空間ネットワークは、航空ネットワークに時間の概念を加えた大規模なネットワークです。 時空間ネットワークを分析することで、航空の抱える問題点を明らかにすることを目指します。 右の図は、日本の航空ネットワーク(左)と時空間ネットワーク(右)を表しています。

駅構内の歩行シミュレーション

「駅構内の歩行シミュレーション」は、 駅構内での歩行者一人一人の動きをコンピュータ上で忠実に再現することができ、 時々刻々変化する「人々の動き」を、駅施設の設計に活かすための分析ツールです。 このシミュレーションでは、プラス電荷、マイナス電荷の引力と反発力により動く「電子」をモデルとして、 歩行者の動きをプログラミングしています。 エスカレータ、改札口、駅ホーム等、駅施設の設計段階でこのシミュレーションを利用すれば、 駅施設での混雑、駅施設の処理能力を事前に見積もることができます。

児童安全マップ

「児童安全マップ」は、児童がよく行く場所と、 児童が危険に感じている場所を電子地図上に集計し、地域の安全対策を考えるためのツールです。 児童からアンケートをとり、学校の通学路、よく遊びに行く場所、 不審者を見かけた場所や車通りの多い場所を地域の電子マップに表示することで、 児童の視点から危険を発見することができます。 また、電子地図の特性を活かし、過去の犯罪発生地点を示す地図と「重ね合わせる」ことにより、 潜在的な危険を発見することができます。

受賞など

  • 2013年4月22日
    高松 瑞代 准教授・田口 東 教授
    日本都市計画学会 2012年年間優秀論文賞を受賞 (参照詳細
  • 2011年3月22日
    田口 東 教授
    日本オペレーションズ・リサーチ学会 第12回業績賞を受賞 (参照詳細
  • 2006年3月9日
    理工学研究科情報工学専攻 鳥海 重喜さん・田口 東 教授
    日本オペレーションズ・リサーチ学会 第26回事例研究賞を受賞 (参照
  • 2005年11月11日
    理工学研究科情報工学専攻 鳥海 重喜さん
    第18回 回路とシステム軽井沢ワークショップにて奨励賞を受賞